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 カテドラル     手嶋純

 

 

 

 

パイプオルガンの音色が、

 

無機質な空間に響きわたる。

 

あなたは涙を拭いもせず、

 

恋の破局を悲しむ。

 

肩が震えるたびに、

 

古い木の椅子が揺れる。

 

僕の愛はあなたに届かない!

 

抱きしめたい気持ちを抑え、

 

あなたの髪に触れた。

 

ステンドガラスの天使が、

 

優しい微笑を浮かべる。

 

時が流れ去り、

 

あなたは眠りについた。

 

スカートから伸びた両脚は、

 

僕の視線を奪う。

 

神の前で激しい肉欲を覚え、

 

自分の愚かさに耐えた。

 

あなたの夢の中で、

 

僕らが結ばれるのを祈る。

 

神の怒りも承知の上だ。