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  審判      手嶋純

 

 

 

 

古い灯台が、

 

巨大な台風に、

 

朝から怯える。

 

 

 

仲良しのカモメは、

 

草陰に身を潜め、

 

じっと空腹を堪える。

 

 

 

雲は黒い塊となり、

 

人々を弄び、

 

恐怖に引き摺り込む。

 

 

 

大波が灯台を、

 

一瞬でのみこみ、

 

船は荒波に揺れる。

 

 

 

自然は、

 

残酷にも、 

 

生贄をむさぼる。