ベトナムの地で〜少年の目に映るもの〜 森下かほる
地雷の埋まっている地面を まだあどけなさが残る少年が 生活の為だからと 鉄を捜す為に歩いている
その鉄は戦争の時 落とされた爆弾の欠片 皮肉なものである そして人間のたくましさも また感じた
人は弱いものである でも人は強さもまた秘めている
逆境は人を強くするという 順境は人を弱くするのだろうか?
貧しさが人を駄目にすると 言うのは嘘だと思う この少年の目を見て感じた とても澄んだ目をしていたから
豊かさの中に漬かっていて 濁った目をしている人の なんと多いことだろう
貧しさの中で培われていく たくましさと優しさを 持っている少年が もうずっと昔に終わった筈の戦争が 残していった地雷で 傷つくことなどないように… 貧しさや豊かさそれだけが 人を成長させたり駄目にしたり するものではないと思う それに何かが加わった時 成長する場合もあるし 駄目になる場合もある
成長するのか 駄目になっていくのか それはきっと紙一重の 違いでしかないのかも
この少年の目を見て思う ベトナムのその大地は この少年の目に どう映っているのだろう
地雷さえなければ 美しい大地なのだろう
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