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  Always    Z (ぜっと)  

 

 

風も薫(かお)る春の午後のことだった

 

ぼくは庭の隅に放置していた角材を

捨てようと束(たば)ねていた

 

「ご主人さん、たいへんですね」

のこぎりで角材を切っていると

ひとり紳士がそう声をかけてきた

 

紳士は聖書を大切そうに手に持っていた

後方にはもうひとり青年がいて

それ以上近づくことはなく会釈をした

 

キリスト教のどこかの団体の人たちだった

 

神さまが存在するとか

神さまを信じるとか

ぼくには全くわからないことである

 

たとえば蟻(あり)よりも人間が知的で高等なように

人間よりも知的で高等な存在がいても

おかしくないという想像は

ぼくにも簡単にできる

そのように考えるほうが自然な気もする

 

そんな知的で高等な存在もまた

美しいものや愛を大切にするだろうと想像できる

 

ぼくもまた

少しの美しいものや愛を大切に生きている・・・

 

BON JOVI の美しいラブ・ソング

『Always』を

今朝(けさ)は部屋でひとりで聞いた

 

・・・Always

・・・いつも いつまでも ずっと 永遠に