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 君のいいわけ  てるり 

 

 

なりたかったものは

現実の前に消えた

がんばるほどの気力もない

学校に通い続けて

今でも役にたっているのは

パソコンで選ぶ漢字と

渡して戻ってくるお釣りの正しさ

そして基本体力だけ

それさえも使わなくなっていく

気が付けば何も手に持っていなかった

たくさんいる一人

代わりは溢れて

自分は自分の影さえ見失う

どこにも居場所は見付からない

外には目玉がある

出るなら夜だ

昼間はつかまらないように

目立たないようにひっそりと

ふと鏡を見つめれば

道端にいる老人がそこにいる