「海への言葉」　　　　てるり

あなたを失うまで

あなたが大切だったこと

気が付かない

人の方が多いけれど

必ず大事にしている人もいるから

まだ見捨てないでほしい

長い間だんだん愛想をつかしている

そんな色も見えているけれど

あなただけは人には作れないから

たくさんの命抱いていて

もう疲れて

人まで手が回らないのかもしれない

それでも

わがままな人と共に

歩んでほしいというのは無理な願いでしょうか

大事なあなた

命の元のあなた

必ず大切にしている人もいるから

どうかまだ

私たちを

人を

見捨てないでほしい

もしも

あなたが望んだなら

全て飲み込めるのでしょう

あなたを失えない私たちは

あなたと同じ味の水分を落とすのです

必ず大切にしている人もいます

忘れないでください

　「海からの言葉」　　　　てるり

君たちが

私を大切にしているというのは

全部嘘ではないけれど

全部本当でもない

私から得るものがあるから

私を失ったらどうなるか

学者が答えを出したから

大切にする努力をしているからでしょう

私からたくさんの仲間を連れていき

世界をかきまわして

消えていく仲間もいるのに

君たちが返してくれるもの

仲間をまた奪う毒

愛されてもいないのに

どうしていつも優しくいられよう

いつの日か

私を造り出す時がきたら

いいえ

そんな日はこない

ただ君たちが私を捨てるだけ

この星と共にあり

共に消える

今日も私は揺らいでいる