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     旅たちの時     てるり

 

 

  僕は絶壁に立つ鳥のようなものだ

 

 飛べるはずと親鳥は後ろから見つめ続け

 

 時間という流れを体に感じ

 

 もうすでに飛んで行った鳥を見つめ

 

 振り返れば飛ばないと決めた鳥が見え

 

 どちらでもない僕は

 

 飛ばない限りやがて時間が僕を

 

 下へと落とすのだろう

 

 それが確実になるまでは

 

 ただ今の場所を見つめるしかないのだ

 

 寄せては返す波を見つめ

 

 僕はまだ迷っている・・・