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    DEATH     てるり

 

 とあるものは言う

 人生とは砂時計に入った砂で

 ゆっくりと落ち

 落ちきったところで

 人は消えるのだと

 

 とあるものは言う

 人生とはいつでも消えていく

 可能性を持っているのだと

 それは自分でも人でも

 変わらないのだと

 

 とある人は言う

 なにもしていないのに

 その先にあるものは平等なのに

 痛みをともわなければならない

 人生があるのはのは何故か…と

 

 誰も大切な人を失った事がない

 僕にはその本当の悲しみは

 わからないけれど

 でもいつか失うのだろう

 

 とある老人は言う

 本当に悲しいのは

 残された人間で

 自分より若いものが消える時と

 自分だけがいつまでも長生きして

 自分の知ってるものが

 ゆっくりと確実に消えて行く事のほうが

 誰よりもなによりも悲しいのだと

 ゆっくりと語った…