高級梅 海月みき
「梅干が食べたい」 お母さんが言う
「どんな梅干?」 お母さんを覗き込む
「梅干が食べたい」 お母さんがさっきより大きい声で言う
「酸っぱいのん?」
「塩分控えめのん?」
「ちょっと甘いのん?」 まとめて聞いた
「梅干が食べたい」 お母さんが初めて言うように言う
お母さんの顔をまた覗き込んで沈黙が流れる
・・・思い出した・・・
酸っぱい!と言い 顔にしわを作り
おいしい!と言い 何個も食べていた
お母さんの今の顔 梅干食べてないのに しわだらけ・・
私がお母さんの記憶をたどる
「酸っぱい梅干を沢山買ってくるわなぁ!」
大きな声で私が言う
「うん。食べたい。おいしいなぁ、梅干」
寝床のお母さんが返事をしながらウトウト
初めて高級な梅干を買いに走った日だった・・
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