矛盾   森下かほる

 

 

多くの人の手によって救われる

消えていこうとしていた一つの命

 

その一方で生きられたはずなのに

一瞬に消えてゆく多くの命

 

消えゆく筈の命が救われたとき

人はそれを奇跡という

 

多くの命が一瞬のうちに消えた時

人はそれを悪夢いうのだろうか

 

同じ重さの筈の命

でも実際同じ重さに

扱われない命

 

人は矛盾だらけの中で生きて

そのことに悩み傷つき

そしてどこかで妥協していく

 

生きていくということ

それが苦しいのは

きっと自分の中に

妥協出来ない何かがあるから

 

でもそれは大事なことかもしれない

 

妥協それは諦め?慣れ?それとも知恵?

生きていくために必要なこと

 

でもどうしても諦められないことがある

慣れることが出来ないことがある

妥協出来ない何かがある

それは夢・理想・希望

と言うのだろうか

 

そしてそれもやっぱり

生きていくために必要なこと

 

きっとどちらも必要なこと

どちらも必要だから難しい

 

芽生えた時から

誰も違(たが)わず死に向かう

命の不思議

正反対なのに紙一重

 

ここから矛盾が始まっている