季節はずれの風鈴の音に…   森下かほる

 

 

はずし忘れた

軒先の風鈴

 

秋風に

チリリンと

音をたてる

 

その音が

心の奥へと

沈んでいく

 

悲しい音って

言ってしまうのは

あまりに簡単すぎて

 

言葉を捜すけど

見つからない

 

心の奥の奥に閉じ込めた

忘れてしまったはずの

何かに共鳴しそうで

慌てて耳をふさいだけど

涙の方が先に流れた