いつもじゃない瞬間を切り取って… 森下かほる
どこかで壊れて止まらなくなった 綿菓子製造機が作り続けてる 綿菓子みたいな雲が 少し明る過ぎる月が出ている空を ゆっくり流れていた
音が無い夜に 明る過ぎる月と 綿菓子みたいな雲が たくさん流れる空を ぼんやり眺めていると
不思議の国への案内役のうさぎが ひょっこり顔を出しても… いたずら狸のおしゃべりが 聞こえてきても… 我が家の猫の 「猫の気持ち飼い主知らずだよな」って ぼやきが聞こえてきても あんまり驚かずにそれもありかなって 思えてしまうこんな夜
外に出て月の光の強さに 空を見上げた時 物語一つ生まれそうだけど 私には物語綴ること 出来そうにないから 心に浮かんだ言葉の断片を こうしてそのまま文字にかえている
普通に流れてる時の中に ふと紛れ込んだ いつもじゃない瞬間
そんな瞬間を切り取って いつまでも留めて置きたいから
心のときめきが 消えないうちに… そのときめきが 言葉にかわるなら それがどんな形でも 言葉に留めておこう
いつか誰かが その言葉の中に 何かを感じてくれる日が こないとも限らないから…
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